4ヶ月の経営管理ビザとは?

協力者ゼロ

海外にいながら外国人ひとりで日本で会社設立+経営管理ビザ取得は難しいのか?

 

「日本に協力者がいないので、ひとりで日本で会社設立をし、その後に入管に経営管理ビザ申請をしたいんですができますか?」

最近、海外から弊所に多く寄せられる質問です。

いきなり冒頭で答えを言ってしまいますが、現在海外に住んでいる外国人が、ひとりで日本で会社設立することは実質的には不可能でしょう。

 

理由は2つあります。

1.会社設立の際、日本に銀行口座を持っていないため資本金を入れる口座がない

2.経営管理ビザ取得のためには物理的な事業所や店舗を借りないといけないが、外国人が海外在住のままでは不動産を借りるのが難しい

 

銀行口座を作るには、銀行によって異なりますが、最低でも中長期で日本に滞在できる在留資格3か月以上を持っている必要があります。

銀行によっては6か月以上在留していないと口座開設できないという条件を置いている銀行もあります。

ですから、海外にいながら日本に誰も協力者がいない状態で会社設立と経営管理ビザの許可をもらうことは難しいと言わざるを得ません。

 

そこで、2015年に、タイトルにも書かせて頂いた「4か月の経営管理ビザ」が新設されました。

外国人の方がひとりで会社設立等を行うためには、まずはそのビザを取得し来日して頂くことになります。

(この4か月の経営管理ビザは、認定を受ける際、会社設立前であっても、事業計画書や定款ドラフトなどを提出することで取得が可能となります。)

晴れて認定が下りましたら、日本に4か月滞在できる権利を得たことになりますので来日して頂きます。ただし、この期間は開業準備期間のため、営業行為や売り上げをあげるような業務運営等を行うことはできませんのでご注意ください。

この間にやるべきことは、住民登録、印鑑登録、日本の銀行口座開設、経営管理ビザの申請です。

しかし、実際には、日本滞在の4か月の間に居住費や生活費をかけながらそのような手続きをするのであれば、費用が余計にかかってしまうため、このビザはあまり活用されていないのが現状です。やはり、余計な費用や慣れない日本のお役所手続き等を日本語で自ら行うより、日本人や日本に居住する永住者の協力者を探す方がスムーズだということなのでしょう。

いずにしましても、外国人が一人で日本で会社設立し、その後に経営管理ビザを申請できるかというご質問に関しては、この4か月の経営管理ビザを取得して日本に住みながら準備をすれば可能となります。協力者なしで一人で全て行いたいとお考えの方にはこのビザはお勧めです。しかし、上述の通り、実際のところは利便性が低いためあまり活用されていません。

 

念のため、日本で経営管理ビザまで取得するフローをご紹介します。

今日は最も多い設立方法である「株式会社」のパターンをご紹介します。

 

設立を完了するには2つの役所で手続きをする必要があります。

1つは公証役場、もう一つは法務局。

公証役場では何をするかと言いますと、定款の認証をしてもらいます。

まずは、定款作成とその認証をする必要があります。

定款(英語:Articles of Incorporation)とは、会社(法人)の組織・運営に関する根本規則のことで、「会社の憲法」とも呼ばれているものです。どんな事業を行うのか、資本金はいくらか、発行する株式数はいくつにするのか、事業年度はいつからいつにするのか、株主総会はどうやって開くのかなどが書かれています。

会社法に沿った内容か審査され、問題ない場合は公証役場で認証してもらえます。

 

その後に、会社を登記します。

登記するのは会社の本店所在地を管轄する法務局です。

登記するために必要となる資本金を海外から協力者の日本人の銀行口座に入金するなど事前準備が必要となります。

また、外国人が注意しないといけないのは、のちに経営管理ビザを取るには、一人資本金を500万円以上入れないといけない点、および、事務所はバーチャルオフィス不可のため、物理的な事務所を借りないといけません。さらに、その物理的な事務所は、申請者本人が自宅として住む予定の住居などは不可のため、事務所用で登記できる物件を借りる必要があります。

 

結局、銀行口座開設、賃貸借契約などの点で日本に日本人や外国人でも永住者などの協力者がいないと実質的に手続きが難しいと言わざるを得ません。

もちろん、上記でご紹介した「4か月の経営管理ビザ」を取得し、日本に滞在しながら自身で手続きを進めることは可能です。

 

本人の確認書類として、印鑑公証書やサイン証明書などの書類も海外から送ってもらい、そういった書類を全部整えたら法務局に登記申請します。

2週間くらいで登記が完了しますので、その後、税務署などに開業届など出します。そのような手続きも全て終了しましたら、ようやく入管に経営管理ビザの申請ができるようになります。

もちろん事業計画書もきちんと作りましょう。これが一番大事です。

審査はとても混みあっているので申請から現在は3か月程度かかります。

その間、借りた事務所の賃借料は発生し続けますので予めご認識頂きたいと思います。

 

当事務所では、現時点においては経営管理ビザを取得し日本で居住開始するまでの間は日本人や永住者などのビジネスパートナーを探し協力してもらうことを推奨しております。

会社設立から経営管理ビザの取得まで提携の士業と共にワンストップでサービスをご提供しておりますのでぜひお気軽にお問合せ下さい。

ビザや帰化のご相談の予約
  • 当事務所のサービス内容や価格・手続きの流れ・許可の可能性に関しては無料相談を承っております、お気軽にお問い合わせください。
  • ご相談はご来所のほか、遠方の方にはビデオ会議などオンラインでのご相談も承っております。
メールでのご予約・お問い合わせ




    ※急ぎのお問い合わせに関してはお電話(03-6823-1855)でも対応させて頂きます

    ページトップへ戻る