自らの意思で外国籍を取得した方へ:日本のパスポート更新を止めるべき理由

自らの意思で外国籍を取得した方へ:日本のパスポート更新を止めるべき理由(適法に日本へ滞在するために)

2025年3月24日から、日本のパスポート(旅券)事務は大きな転換点を迎えました 

オンライン申請の本格導入や戸籍情報の電磁的連携など、利便性が向上する一方で、行政システムのデジタル化は「二重国籍(重国籍)状態」にある方々へのチェックをかつてないほど厳格化しています

もしあなたが自らの志望によって外国籍を取得したにもかかわらず、日本国籍喪失の手続きをせず、日本のパスポートを更新し続けているとしたら——。

それは単なる「手続きの遅れ」ではなく、将来の日本滞在やアイデンティティを根底から揺るがす重大な法的リスクを孕んでいます。

このページでは、最新のデジタル審査体制の実態と、適法に日本と関わり続けるための正しい手続きについて解説します。


1. 自らの意思で外国籍を取得した人は「国籍法違反」状態

日本の国籍法は、明治時代から続く「国籍単一の原則」を厳格に維持しています

国籍法第11条1項の「自動喪失」

国籍法第11条1項には、「日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」と定められています

ここで重要なのは、行政に届け出をした時に国籍を失うのではなく、外国籍を取得したその瞬間に、法的には自動的に日本国籍を喪失しているという点です

「法律を知らなかった」という主張は、現代の法治国家では通用しません

自己の意思で他国の市民権を得た以上、日本のパスポートを保持し続けることは、法律上の義務に違反している状態と言わざるを得ないのです。


2. 正しい「国籍喪失」の手続き(日本国内・在外公館)

日本国籍を喪失した後は、速やかに「国籍喪失届」を提出する義務があります

  • 届出期限: 国籍喪失の事実を知った日から1ヶ月以内(海外にいる場合は3ヶ月以内)

  • 提出先:

    • 日本国内: 本籍地または住所地の市区町村役場。

    • 海外: 最寄りの日本大使館または総領事館。

  • 必要書類: 国籍喪失届、外国籍を取得したことを証する書面(帰化証明書など)の原本および訳文、日本のパスポートなど。

※近年は、この届出を長年放置していたことに対し、裁判所から過料を科される可能性についても窓口で指摘されるなど、運用の厳格化が進んでいます

 

3. 喪失手続き後はパスポートの更新・保持は不可

当然のことながら、日本国籍を喪失した時点で、日本のパスポートを所持・更新する権利は消滅します

喪失届を提出する際、あるいはパスポートの更新を拒否された際、旧パスポートには「VOID(無効)」印が押され、ICチップも物理的に無効化されます

 


4. 2025年3月~「デジタル審査」で隠し通すことは不可能

「届出をしなければバレない」という時代は終わりました。

2025年3月24日からの新制度は、二重国籍者にとって大きなハードルとなります。

オンライン申請と住基ネットの連携

オンライン申請は、マイナンバーカードと「住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)」を利用して住所確認を行います

  • 住民票がない場合: 住民登録が抹消されている(除票)場合、システムによる自動照会ができず、審査が止まります

  • 居住実態の疑義: 長期間の住民票未登録がある場合、当局は「その間に外国籍を取得していないか」を極めて慎重に確認します 。(外国に居住している場合はどんなステータス(在留資格)で在留しているのか等追加書類の提出を求められるケースもあります。)

窓口(本籍地・在外公館)での厳しいチェック

窓口申請においても、以下のような実務が行われています。

  • 滞在資格の確認: 一時帰国者が本籍地で更新しようとする際、「海外での中長期在留資格(永住資格等)」の提示を求められる事例が増えています 。これを提示できない場合、外国籍取得を疑われ、パスポートの全ページをコピーされた上で更新を拒否されることもあります

  • 口頭での精査: 「外国籍の取得経緯(出生か志望か)」について、窓口で詳細に尋ねられるケースが報告されています


5. パスポートを不正に更新した場合の罪と影響

国籍喪失を隠してパスポートを更新・使用し続けることには、甚大なリスクが伴います。

刑事罰の対象

  • 旅券虚偽申請罪(旅券法23条1項1号): 5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金

  • 公正証書原本不実記載罪(刑法157条): 1年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金

社会的・物理的な不利益

  • 強制退去のリスク: 日本国籍がない状態で日本のパスポートを使用して入国し、それが発覚した場合、「不法入国・不法滞在」とみなされ、強制退去の対象となる恐れがあります

  • 権利の即時剥奪: 参政権、社会保障、日本での就労の自由など、いわゆる「国籍パッケージ」が全て失われます

  • 相続・家族への影響: 日本国内の資産相続や、高齢の親の看病などで日本に長期滞在する必要が生じた際、不正なパスポート保持が発覚していると、正規の在留資格取得すら困難になる可能性があります


6. 正攻法の解決策:日本人配偶者等(実子)の認定手続き

「日本国籍を失ったが、これからも日本に自由に滞在したい、あるいは移住したい」という方には、法に則った解決策があります。

元日本人であれば、在留資格「日本人の配偶者等」(実子として)の認定申請を行うことが可能です。

この資格を取得すれば、日本国内での就労制限はなくなり、堂々と「元日本人」として日本に居住し続けることができます。

コラソン行政書士事務所にお任せください

日本国籍の喪失に伴う複雑な手続きや、その後の在留資格への切り替えは、専門的な知識を要します。

当事務所では、元日本人の方々がスムーズに日本での権利を確保できるようサポートを行っております。

【重要:移住計画は計画的に】

現在、東京出入国在留管理局における在留資格認定証明書の発行には、約8~10か月程度の時間を要しています。

「明日から日本に住みたい」と思っても、すぐに資格が取得できるわけではありません。

将来の帰国や長期滞在を見据えている方は、パスポートを不正に更新するのではなく、今のうちから正しい手続きの準備を始めることが、あなたとご家族を守る唯一の方法です。


二重国籍・国籍喪失・在留資格に関するご相談は、コラソン行政書士事務所までお問い合わせください。(有料相談となりますのでご理解ください。)

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